放送局用映像編集システム開発プロジェクト

2018年05月11日

今回は、放送局などが使う専用の映像編集システムの開発プロジェクトについてご紹介致します。担当者に聞いてみました。

どのようなプロジェクトでしたか?

テレビ局などが使用する業務専用の動画編集ソフトの開発プロジェクトです。開発言語はVC++で、ターゲットはウィンドウズのマシンです。ソフトウェアはノンリニア編集と呼ばれるもので、ハードウェアとセットでリリースします。基本的には市販のPCですが映像の編集を快適に行うには高いスペックのPCが必要なので、CPUやメモリはハイエンドクラスのものが使われます。

ノンリニア編集以前に使われていたリニア編集とは、直線的に一本になっているテープ編集をさします。それに対し、ノンリニアとは、動画全体に渡ってランダムにどこからでも編集できるシステムです。

ノンリニア編集システムの特徴としては、まずランダムにアクセスができて直感的に編集できます。リニア編集はテープの編集作業のため、職人的な技が要求されましたが、このノンリニア編集では直感的に使うことができるのです。そして、ノンリニア編集ソフトのなかでも、このプロジェクトのソフトは動作が軽い特徴があります。

外付けで、ジョグシャトル、テープデッキなどを接続して使います。ジョグシャトルは、もともとリニア編集機で使用するインターフェースなのですが、ノンリニアでもそのままの感覚で使用できます。細かいコマ送りとか逆に大まかな早送りとか感覚的に行えるものです。

また、テープデッキは、撮影されたテープの内容をいったんデジタル化してPCに落とし、編集後の映像を再度テープに書き込むために使います。最近では最初からノンリニアの形式で撮影される場合もありますが、依然として業界の形としてはテープのなごりがあり、撮影も放送もテープ主体です。

また、画像を圧縮するコーデックですが、通常のパッケージのものですと、汎用的なユーザーを想定しているのでどうしても速度的に遅くなりますが、このプロジェクトでは、コーデックをオリジナルのものを使用していて速さと軽さを実現していました。MP4やH264など主要なコーデックに対応していますね。

大変なことはなんでしたか?

業界が放送業界なので、まず間違えが絶対に許されないことです。システムが途中でフリーズしたり、画像自体に不具合があると放送事故につながってしまいます。

このソフトはスポーツ中継や報道に使われることが多いので、即時性を求められます。ギリギリまで映像編集して即リリースする環境ですので、ほとんどチェックなしにそのまま配信・放送すると思います。そういった状況でシステムが落ちてしまうと、放送に間に合わなくなる、それは絶対許されないわけです。また、映像にノイズが入ってしまうと大問題になりますね。なので、品質的には非常に気を使いましたね。

やりがいはなんでしたか?

クライアントの要望でシステムに次々にいろいろな機能を付けていったりするものだったので、開発のサイクルが早いプロジェクトでした。開発サイクルは通常数ヶ月単位だと思うのですが、これが月に1回とか数回とかのペースでリリースすることもありましたね。とても限られた時間で高い品質を維持することにやりがいを感じましたね。